もぐら珈琲録 #26(エチオピア/ボリビア/イエメン/メキシコ/インドネシア)
#1で基本的な方針や経緯について書いています。
<2023年12月>
🇪🇹 エチオピア ジンマ ゲラ農園
地域:ジンマ(Zone)ゲラ(Woreda)
生産者:ゲラ農園(約500世帯の小農家)
精製方法:Fully Washed
品種:Heirloom
Roast:City(中深煎り)
Roaster:長崎珈琲(山梨/河口湖)
苦味 ★★☆☆☆
酸味 ★★☆☆☆
果実味 ★★★☆☆
甘味 ★★★☆☆
ボディ ★★★☆☆
香り ★★★☆☆
[抽出方針]
Dripper:フラワードリッパー
温度:88℃
速度:普通(前半1/3じっくり→後半2/3速く)
その他:20g/250
長崎珈琲行きすぎワロタ。
毎回珈琲豆が入れ替わってるから楽しい。
マスターもお話ししてくれるし。
今回はエチオピア ジンマZoneの豆。
たぶんジンマのものは初めて飲む気がする。
基本はWashedなのね。
派手じゃない落ち着いた味わい。イルガチェフェやシダマのWashedが黄色や黄緑色のような、ポップなイメージなら、ジンマは橙色や山吹色のような、少し燻んだイメージ。
柑橘の皮のような苦さ、酸の感じはレモンかな。あまり甘くない。
少しジンジャーのような、心地よい刺激を感じるスパイシー感が特徴的。Naturalのような甘く重厚なスパイシー感じゃなくて、あくまでWashedの軽やかなニュアンスのスパイシー感。
(Only Roasterさんの記事)
🇧🇴 ボリビア コパカバーナ農園 ティピカ
地域:ラパス県ユンガス地方カラマ
生産者:コパカバーナ農園(アプロカフェ農協)
精製方法:Fully Washed
品種:Typica
Roast:French(深煎り)
Roaster:IFNi ROASTING & CO.(静岡/静岡市葵区)
苦味 ★★★★☆
酸味 ★★★☆☆
果実味 ★★☆☆☆
甘味 ★★★★☆
ボディ ★★★☆☆
香り ★★★☆☆
[抽出方針]
Dripper:フラワードリッパー
温度:90℃
速度:普通(前半1/3じっくり→後半2/3速く)
その他:泡を落としすぎない
カカオ系のボディと苦さの中から綺麗な林檎〜柑橘の酸を感じる。
ややローストアーモンドのような香ばしさもあり、キレのいい苦さが消えたアフターには甘さが残る。
総じてマイルドで飲みやすい珈琲。
🇾🇪 イエメン ハラズ バニ・ナミヒ
地域:サナア県ハラーズ地区バニ・ナヒミ村
生産者:小農家(バニ・ナミヒ村の50軒の小農家)
精製方法:Natural
品種:Yemenia(新母体品種)
Roast:City(中煎り)
Roaster:TERA COFFEE and ROASTER(神奈川/大倉山)
苦味 ★☆☆☆☆
酸味 ★★☆☆☆
果実味 ★★★★☆
甘味 ★★☆☆☆
ボディ ★★★☆☆
香り ★★★★☆
[抽出方針]
Dripper:フラワードリッパー
温度:92℃
速度:普通(前半1/3じっくり→後半2/3速く)
その他:メッシュ3.5、20g/250cc、泡落とし気味
カップからウイスキーのような木樽を感じる発酵感のある香りと、ベリー系のフルーティな香りが混ざり合って複雑に香る。
果実味も複雑で、あまり甘さはないがピーチのような爽やかなニュアンスがあり、いちじくやドライフルーツという表現になるだろうか。アフターにはウイスキー感といちじく感が残る。
イエメンのテロワールらしい、藁や燻んだイメージも感じ取れ、面白い珈琲。
ついにイエメニアに手を出してしまった。1980円/100gは流石に高級品。
しかしイエメン珈琲大好きとして、流石に必修事項だった。
イエメンやエチオピアは地場品種が蔓延っていて、Bourbon、Typica、SL系、ないし別の母体品種があるとされていた。
近年ついに、イエメンで新しい母体品種が同定され、イエメニアと名付けられた。つまりイエメンの地場品種の先祖に当たる、BourbonやTypicaと同クラスの原種が新しく見つかったこととなる。
今ロットはそのイエメニアのみを栽培、収穫したものとなり、最先端のイエメン珈琲といえる。
単一品種なのにこの複雑さはとても興味深い。イエメンは本当にテロワールがはっきりしているね。
🇲🇽 メキシコ マヤビニック 有機
地域:チアパス州チェナロー区中心
生産者:小農家(マヤビニック生産者協同組合)
精製方法:Fully Washed
品種:Typica, Catimor, Bourbon, Mundo Novo(Bourbon-Typica系)など
Roast:French(深煎り)
Roaster:鳥仙珈琲(静岡/静岡市葵区)
苦味 ★★★★☆
酸味 ★☆☆☆☆
果実味 ★☆☆☆☆
甘味 ★★★★☆
ボディ ★★★☆☆
香り ★★★☆☆
[抽出方針]
Dripper:フラワードリッパー
温度:88℃
速度:普通(前半1/3じっくり→後半2/3速く)
その他:メッシュ3.5、20g/250cc
久々に鳥仙珈琲のメキシコ マヤビニックを飲んでみた。今年のクロップってことになるかな。
この珈琲の記録を始めた頃に一度飲んだけれど、その時は抽出技術も理論も、知識も語彙も未熟で、カップから感じられる情報量が拙かった。
鳥仙らしい、しっかりと香ばしくキレのいい苦味が第一印象。
ついでローストアーモンドのような香りが鼻に抜けて、アフターに薬草のような、漢方のようなハーブ感が来て、甘さが長い余韻として残る。
ボディがすっきりしているところが、ケニアやウガンダみたいなアフリカ系と違うね。
飲みやすい珈琲にも色々あることを1年半で学んだ。楽しくなってきたぜ。
🇮🇩 インドネシア ロングベリー レジェンド
地域:スマトラ島アチェ・ タケンゴン
生産者:コピティアム農園
精製方法:Semi Washed(Sumatran Process)
品種:Long berry +α
Roast:City(中深煎り)
Roaster:ICHI COFFEE ROASTERY(静岡/掛川)
苦味 ★★★★☆
酸味 ★★★☆☆
果実味 ★☆☆☆☆
甘味 ★★★☆☆
ボディ ★★★☆☆
香り ★★☆☆☆
[抽出方針]
Dripper:フラワードリッパー
温度:90℃
速度:普通(前半1/3じっくり→後半2/3速く)
その他:メッシュ3.5、20g/300cc
インドネシアのLong berryで面白いものを見つけた。詳細はよくわからないが、ただのLong berryではない模様。今後どこかで正体がわかるだろうか。
マンデリンらしい柑橘の酸はしっかり出ている。この点は前に飲んだワハナ農園のLong berry(ナチュラル精製)とは違う印象。
一方でバターやナッツ、きなこを思わせるクリーミーな口当たりと甘さはLong berryらしい。これはエチオピアのモカハラーにも通ずる、Long berryの個性なのかもしれない。